ますざぶ菊花賞オフ会(真面目に書いた編)

※この文章は9割、他所で書いた事を加筆修正したものです。


『歴史的瞬間に立ち合う』
この時を光栄とか幸福だと思うのは、生まれて初めてだと思った。


ディープインパクトと言う馬が21年ぶりの無敗の三冠馬となった。無敗の三冠馬としては史上2頭目三冠馬としては史上6頭目である。その6頭の中で現在も健在なのは、元祖無敗の三冠馬『皇帝』の異名を持つシンボリルドルフのみである。


僕はディープインパクトの事は好きでも嫌いでも無い。しかし、三冠馬と言うのを見てみたい。
レースではいつもと違って後ろからでは無くやや前方から行くディープインパクト。エキサイトして行きたがってるかもしれないがそれは正解だった。


しかし、見ている側としては『大丈夫かよ?』とすら思う。事実、最後の直線では先頭を走る馬に結構離されていた。『・・・届かないんじゃないのか!?』と思った。僕は馬券の収支云々の事は忘れていた。馬券がハズレても関係無いと。


『・・・ここで、ディープインパクトが負けたらファンがガッカリする。いや、ファンの期待に応えてくれないと、凄く悲しませるじゃないのか?』


そう思うと、本気で悲しい。怒りとか悲しみをぶつけて野次る人が出るのは、それは競馬ファンにとって残念な事である。そんなの見たくは無い。僕の周囲の友人達が興奮してディープインパクトに声援を贈ってる。みんな三冠馬が見たい・・・いや、僕も見たい・・・!!!


『ディープ!そして武豊!頑張ってくれ!ここで負けたら、全てが台無しじゃねぇか!!みんなの想いに応えてくれ!!頼む!勝ってくれ!!』


僕も全ての観客と一つになった。その想いは力となったか分からないが、間違い無く応援する人馬は応えてくれたと言っても良いだろう。届かないと思ってたあの位置から見事に届いた。二着馬のアドマイヤジャパンが先頭だったが残り100mで捕えた。


京都競馬場が揺れた。全員が大きく吠えた。そして歓喜した。抱き合って喜ぶ者、興奮して震えが止まらない者、感極まって泣く者。勝利を全員で分ち合えた。会場でディープ・コールが起こる。手を振る武豊騎手。僕は不思議と涙を流さなかった。目頭は熱かったけどディープインパクトが三冠を獲れるのは当然の様だったからだ。


生きてて良かった。この歴史的瞬間の時を生で体感出来た。大人気なくはしゃいでしまった。
来て良かった。今、この場に居る皆と会えて良かった。この場に居る皆が居たからこそ歴史的瞬間に立ち合えたと思った。


このレースの馬券はちょっとマイナスだった。でも、そんなの関係無い。最高のライブを見れたから安いものだ。と、言うよりも他の4レース買ったけど全部プラスだったから最高の日だった。