ますざぶ戦国群雄伝・第三話

駐日の徴兵を奇襲によって阻止させた、安心軍。勝利の喜びも束の間、押売タイヤンズの軍勢が安心軍領土に迫っていた。安心軍総大将・核地下子は直ちに緊急評定を開く。

「士気は高まってます。今こそ出陣の合図を!」
「城から討って出るよりも、ここは持久戦にすべきです」
「いや、罠かもしれませぬ。ここは・・・」

対策の話し合いが続く。ここで俊哉が口を開く。

『では、私めが少数の手勢を率いて偵察に向かいましょう』
「危険ではござらんか?」
「拙者もお供致しましょうぞ!」

核が口を開く。

「待て。俊哉よ・・・行ってくれるか?」
『はっ・・・無理はしません。もし相手の出鼻を挫ける様でしたら、そのまま崩してやりますよ』
「ふむ・・・では、ジリ脚王冠。を共に連れて行くが良い」
『承知しました』

ジリ脚王冠。とは、駐日軍との戦闘後に加わった武将である。俊哉とは少なからず縁があり、弟分の様な存在なので、互いに信頼している仲である。

「初陣となりますが、楽しみにしてます」
『遊びに行くんじゃないんだぞ?』
「分かってます」

俊哉は少数の兵士達を引き連れて、押売軍の偵察に向かった・・・。夜陰に紛れて何とか押売軍の近くに近付く事が出来た。現在は休憩中と言った所だろう。

「総大将の・・・しぐれ殿は、あそこかもしれませんね」
『うむ・・・後方で守られてるみたいだな』

・・・と言ってると・・・。

「曲者!何奴!?」
「うわっ、見つかったみたいですよ!」
『・・・仕方ない。ここは拙者が引き受けるので、お主は急いで核殿に知らせを!』
「承知!」
『って、早っ。もうちょっと「何を言う?お前を置いて逃げれるか!」みたいなやり取りしろよなぁ・・・』

ジリ脚王冠。は脱兎の如く、逃走して急ぎ本隊に向けて走る。一方、不平を垂れる俊哉の前に立ちはだかったのは・・・。

「我こそは、押売軍の竹光の翁!念仏の準備は整ったか?」
『竹光殿・・・!?』
「む・・・俊哉殿か?・・・かつて魔来徒(まくると)では同志だったが今は敵同士!いざ、尋常に勝負してもらおうか!!」
『・・・くっ』

俊哉の絶体絶命の危機。そして戦いの行方は・・・? <つづく>