ますざぶ戦国群雄伝・第4話

少数の手勢を率いて、押売りタイヤンズの休憩地点に偵察に向かった俊哉。しかし、運悪く敵将の竹光の翁に発見されてしまいう展開に・・・。

「覚悟!」
『ちょっ・・・タンマ!竹光殿!』
「どうなされた!?」

二人の騒ぎを聞き付けて、別の武将が現われた。俊哉にとってまた見知った顔であった・・・。

『野分・・・殿!?』
「俊哉殿か・・・!」

野分もまた先の戦いで駐日パラゴンズ軍の一員として共に戦った者だった。しかし、今の彼も竹光の翁同様に押売り軍の一員である。野分は戸惑いつつも刀を抜く。

『やはりこうなるのか・・・』
「無論でござる・・・次に会う時は敵同士だと申したはず!覚悟!」
「拙者も同じだ!これも運命と思って観念なされい!」
『二人がかりと卑怯な・・・』

その時、馬の蹄の音が近付く。

「俊哉殿ーー!」
『ソング殿か!ありがたい!ジリ脚王冠。(俊哉直属の忍者)が呼んでくれたか!』
「助太刀致す!おりゃあ・・・うがっ!」

・・・・ゴッ!

森の中を馬で疾走してた為、木の枝にぶつかって落馬するソング。そこを野分が押さえにかかる。

『ああ・・・これまでか・・・』

その時、再び馬の蹄が聞こえる。今度は馬の数は多いと思われる。俊哉が振り向くと「安心」の旗が見える。

「安心アイガース軍、総大将・核地下子推参!!どけどけ!」
『大殿!?』
「同じく、宿老・葛西彰広!助太刀に馳せ参じる!」
「おお・・・葛西殿に皆まで・・・俊哉殿、今の内に・・・」
『そうでござるな・・・』

突然の奇襲に安心軍と押売り軍が乱戦に入る。その間に俊哉とソングは撤退をする。

「おのれ!逃がすか!!」

押売り軍の敵将・胴長熊猫と斉藤智弘が敗走の将を追撃するが、逆に核と葛西に返り討ちに遭い、重傷を追わされた。更に毎日大差も追撃しようとするが、ギャラクシィに阻まれる。

「今の内にお逃げ下され!ここは、この高機動型新月にお任せ下され!」
「師匠とマスター、出陣!邪魔する者は容赦せぬぞ!」

森の中は大混戦模様と化す。何とか俊哉とソングは森を抜けた様だ。ジリ脚王冠。が帰路を確保している。

アファームドB参上!・・・敵総大将のしぐれを確認した!これより突撃する!」
ツインターボの孫、援護致す!参りましょうぞ!」
「誰か!誰かおらぬか!?」

しぐれは軍配を降りつつも、傍の側近に呼び掛ける。ツインターボの孫の背後より若武者が踊り出て、ツインターボの孫の脇腹に槍を入れる。

「殿ー!ここは危険です。一旦撤退しましょう」
「おおっ、リョウローか。助かったぞ・・・よし、湘南爆走よ、撤退の合図を鳴らせ!」
「はっ!・・・むっ?」
「あ奴は、モッコリブライントか・・・流石、核地下子。武将の配置に隙が無いな・・・。充分暴れたし、リョウローの言う通り一度戻るとするか・・・安心軍も総崩れの様だし、当分は大人しくしてくれるであろうな・・・」

押売りタイヤンズ軍は撤退した。見事な引き際だった。対する安心アイガース軍は負傷者が多数出た。本城に撤退してその傷を癒す事に専念するとした・・・。

『申し訳ありませんでした・・・』
「気にするな。仲間を失わずに済んだだけで良しと致そう」
「当分は押売り軍も大人しくしてもらえれば良いのですが・・・」
「そうも行くまい。我々を敗走しただけあって、自信に繋がったやもしれぬしな・・・」

・・・・・・一週間後・・・・・・

『殿、魔来徒衆が不穏な動きを見せております』
「・・・うぬぅ・・・小賢しい連中よのぉ」

魔来徒(まくると)衆とは、早い話しが一向一揆の集団である。各地を転々としては活動をしており、その数はほとんど軍隊と変わらぬ数とも言われてる。俊哉も魔来徒衆に属していた時期もあったが、活動に飽きたので脱退したのである。

「まだ将の傷も癒えぬ状況だと言うのに・・・」

核地下子は歯痒い表情で、配下の将を集める事にした・・・。(つづく)