ますざぶ戦国群雄伝・第五話

魔来徒衆・・・一向一揆衆の様な集団だが、別名「投稿一揆衆」とも呼ばれている。一向一揆の集団は「死ねば極楽」と言って死を恐れず戦う集団だが、「投稿すれば極楽」と言う集団である。ボツになろうが掲載が適おうが、投稿に身を投げ出す集団である。

魔来徒衆の不穏な動きを察知した安心アイガース軍は、ただちに評定が行なわれた。総大将の核地下子は、渋い表情で諸将の顔を見ている。当然ながら先の敗戦での傷が癒えてない武将が多いからである。その緊迫した空気の中、俊哉の配下の密偵のジリ脚王冠。が戻って来た。

「申し上げます!魔来徒衆は、近辺の砂浜で待機中の模様です」
『砂浜?・・・罠でも準備しておるのか?』
「いえ・・・海を渡って援軍を待ってるらしいです。援軍が整う前に迎え撃つべきかと・・・」
『・・・殿、持久戦は不味いかもしれませんな』

他の武将達も同じ考えの様である。核も頷くとスクッと立ち上がり命令を下す。

「これより、奇襲をかける!!」
『オーーーーー!!』


・・・一方、魔来徒の軍勢は、着々と近隣の投稿一揆衆を集めていた。

「うむ・・・中々集まって来おったな・・・」

総大将の周平・洋介の父は満足気で軍勢を見渡してる。配下の武将の川上栄治が具申する。

「殿・・・そろそろ移動されては?この砂地はいささか厄介かと思われますが」
「確かにな。しかし、それは攻めて来る相手も同じであろう?」
「はぁ・・・」

そこへ魔来徒衆の援軍武将のⅡ度寝が馳せ参じる。

「軍備は整いつつありますが、安心の軍勢が動いたとの情報が入りました」
「うむ・・・このまま迎撃の準備に入るとしようかのう」

マイペースな総大将を他所に、馬の蹄の音が近くなる。

「何!?も・・・もう来たと申すのか?」
「この砂地で簡単に動けまい。うろたえるな!」

ところが、安心軍の馬は1頭しか見えない。

「単騎で乗り込む馬鹿が居るのか?」
「あ・・・あれは!」

何と馬は馬でも、やたらデカイ馬だった。そしてその背後に車輪の付いたソリが引いてある。

ばんえい競馬の馬じゃと!?」
「な・・・何と!確かにソリだと移動に便利だが・・・それにしても大胆な!」
「ものども・・・かかれーーー!!」

核とその配下の武将達はソリから降りると一斉に魔来徒衆に襲いかかる。

「どこじゃー!周平・洋介の乳ー!」
『父ですよ、大殿。拙者が援護致します』
「よし!指揮は葛西に任せて俊哉よ、遅れるな」
『承知・・・ん?』

核の「乳」と言う声に敏感に反応した敵将が俊哉の目に映る。

『(あ・・・あれは、Ⅱ度寝様!?)』

Ⅱ度寝と言えば、先の大戦の時に俊哉の仕えていた駐日軍の総大将のⅡ度寝の事である。大戦後「おっぱい吸いたい」と言って精神があっちの世界に飛んでたが、どうやら正気に戻って戦場に復帰した様子と見られる。

『(出来れば・・・刀を交えたく無い所なのだが)』

俊哉は距離を置いてなるべくⅡ度寝と接触しない様にする事にした。そして自分に今の自分の殿は核地下子だと言い聞かせる事にした・・・。 (つづく)