ますざぶ戦国群雄伝・第一話

━安心軍居城・安心城━

「国境警備兵の報告によりますと、駐日軍が我が領内の近くを進軍中との事です」

側近の話しを聞いた安心軍・総大将の核地下子は、直ぐに緊急会議を開いた。

「情報によりますれば、徴兵の最中だとか・・・」
「ここは、軍備が整う前に攻撃をするべきでしょう。かの軍は油断ならぬでしょうし」
『ふむ・・・そう言えば・・・、俊哉よ?』
「はっ」
『お主は、駐日軍に仕えていた事もあったそうだな?』

一瞬、ピクリと眉を動かすが特に動揺はしなかった。

「昔の話しです。旧友がまだ居るやもしれませぬが、今の拙者の殿は核殿でござる」
『・・・うむ。で、お主の意見はどうじゃ?」
「・・・戦力が現在整って無いのなら、今が好機でしょう。勝ちを拾える戦を逃さず、我が軍の士気を高める好機でしょうな」
『そうか・・・よし!皆の者、出撃の準備を致せ!わしも出る!』

全員が平伏して直ぐに散る。安心軍は軍備をあっと言う間に整えると進軍を開始する。

『状況はどうじゃ?』
「はっ・・・情報通り、徴兵の最中でその帰りでしょうな。今なら奇襲が成功しそうです」
『うむ。では・・・』

核地下子は、諸将の顔を眺めて頷く。

『先陣は、アファームドBに任せるとしよう。その先陣の援護はソングに任せると致す』
「お任せあれ・・・」
「まずは、突破口を開くとしましょうぞ!」
『うむ・・・駐日軍を挟み撃ちにするので、ツインターボの孫とモッコリブライアントには左右から各々で攻撃を仕掛けてくれ』

命じられた二人は「御意」と頷き早速準備に取りかかる。

『伏兵が居ては適わんだろうから、ギャラクシィにはその警戒を任せる。高機動型新月と俊哉には、わしの護衛を頼むとしよう。ぬかるなよ?』

ギロリと二人の武将を睨み付ける核。睨まれた二人は敬礼して軍備を整える。

「駐日軍か・・・なるべくなら旧友と当たりたくない事を願うとしよう」

俊哉はそう呟いて兵士に警備の確認をさせる。駐日軍との戦いは近い・・・。(つづく)